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コンコンコン。アトリエの部屋をノックすると、「さあ、さあ。立ち話もなんですから。どうぞ、どうぞ。お入りください、コーヒーとお茶、どちらがいいですか?」と、とびっきり気さくに出迎えてくださった家具職人の山上一郎さん。「ぼくの作る空間にはデッドスペースって無いんですよ。」とおっしゃるとおり、アトリエというよりも、まるで雑誌の特集に出てくるような収納上手な書斎でした。
山上さんが石田倉庫にアトリエを構えたのは2000年の2月。前職はマスコミで、テレビ番組の制作をなさっていたサラリーマンだったそうです。「当時住んでいた家が狭くて、家に合う棚を作っていたら無性に面白くって夢中になって。夏休みに家具職人さんたちの話を聞きに行ったら、どの人も『家具職人は食えないからやめろ。』って言うんですよ。そして、最後に必ずみなさんこう言うんです。『でも、楽しい』って。そんなに楽しいって思える仕事、素敵じゃないですか。」そして、28歳で転職。職業訓練校や家具屋で修行を積み、「家具工房 木とり」を構えました。
「家具が作りたくて石田倉庫に工房を構えたものの、すぐにたくさん仕事が入ってくるとは限りません。また、展覧会を開くと家具の在庫が溜まっていくので、在庫展を開きたいなあと思って。ちょうどアトリエの前に来る人来る人お茶にさそって話を聞いてみたら、入居者のみなさんが面白い人ばかりだったので、みなさんのアトリエを公開しつつ、在庫展を開いたら面白いんじゃないかと思い、持ちかけてみました。2005年のことでした。」入居者のみなさんも、これまではお互いに誰がどの部屋で何をしているのか全く知らず、このアトリエ展がきっかけで横のつながりもできたとか。
BOOKS&BAR「とんがり書房」をコラボレーション
「夢の最高の喜びは、結果ではなくプロセスです」
山上さんのガラガラポン!で出来る街。想像するだけでもワクワクしてきますね。
事例もたくさんの木とりのHPはこちら(http://www.kitori.jp)
茂井健司さんのアトリエの中にはぐるりと、大きなガラス、ベニヤ板、ダンボール、それから人形の段ボールが壁に立てかかっています。どんな作品を作っている方なのでしょうか。一番奥の隙間から顔を出しているのが、茂井さん。石田倉庫にアトリエを構えて26年の現代美術家です。
茂井さんは、ある「場所」とそこに立つ「人」との間、その間にある「つながり」や「コミュニケーション」をテーマに、ガラスや鏡など「写す」「映す」「移す」素材を用い、インスタレーションやワークショップなどを行っています。
「内側と外側、そして境界に興味があるんですよね。作品づくりは、その展覧会の行われる場所で行います。まずはじめに、作る場所を歩く。歩いているうちに、自分のやりたいことが見つかる。例えば水と縁のある場所なら水を使おう、廃材があるなら廃材を使おう、くぼんでいるならくぼみに穴をあけようという具合に。そこからイメージを固め、形にしていくんです。」
新潟市中央区にある空き店舗を活用したアート・コミュニティスペース「フルマチ・アートスタジオ」では、1ヶ月にわたる水と光を用いたガラスと鏡の構造体の公開制作と、「色あそび・色のひろがり・いろ色」をテーマにしたワークショップを展開しました。
ワークショップでは、子どもたちが実際に商店街のお店に行き、お店の色をイメージ、各店舗のロゴやマークを建物の形をしたオブジェに着色。最後に、公開制作制作したガラスと鏡の構造体の上に、そのオブジェを並べました。作品の上を歩いたり、下に入って見上げることのできる構造物。水との関わり、水への思いを馳せ、この場所にふさわしい表現を体感。まさに、地域と人と一体となって作り上げた作品となりました。
2014.08.05 at 立川市子ども未来センター
去年のアトリエ展では、茂井さんのアトリエには、鏡に無限の自分も映りつつ、鏡越しに相手が見え、映り込み混じり合う不思議な部屋が出現しました。
さて、今年は?とお聞きすると、「今年は部屋を真っ暗にして懐中電灯を持って入るような感じで…。自分自身も自分の創る作品に対して未知の状態なんですが…。そうですね、乞うご期待!って、書いてください(笑)」とのお返事が。百聞は一見にしかず。ぜひ、アトリエ展で体感しましょう!
「ちさき人」
2022年6月近影 space23℃にて
(文責:小林未央)
★を@に打ち替えてください。
- - - - - - - - - - - - -<追記>2015年 アトリエ展の様子- - - - - - - - - - - - -
アトリエが鏡とガラスを使ったお化け屋敷になりました。
日曜日の朝11:00。赤ビル1階にあるpotters-studioにお邪魔すると、陶芸教室の生徒さんたちがアトリエ展出品に向けての作品づくりをなさっていました。淹れたてのコーヒーにおみやげのクッキーをほおばりつつ、手は休めずに時々おしゃべりしながら制作を楽しむ、穏やかな日曜日の午前のひととき。このアットホームな教室の中心にいらっしゃるのが、陶芸家の鈴木佳世さんです。
佳世さんは、石田倉庫にアトリエを構えてから13年。陶芸家になる前は、建築設計事務所でOLをなさっていたそうです。24歳でOLを辞め、自宅に窯まで構えて本格的に陶芸をなさっていたお父様の影響もあり、茨城県笠間焼きの村へ。窯元での修行を経て、2003年独立しました。
暮らしの中で寄り添うように佇む佳世さんの作品。見ているだけでホッと、心がまるくなります。
「その都度、形やテーマを変えて作っています。オブジェに家や教会が多いのは、建築事務所で働いていたこともあるのかな。でも、陶芸家としての活動の軸は、コーヒーカップやポットなど、毎日の暮らしの中で使うことのできる陶器です。制作して、販売して、みなさんの家の暮らしの中で使って頂きたいから。」
「この作品は、樹木葬をしたご両親をいつもそばに感じていることのできる、心の拠り所を作って欲しいという、友人からの依頼で作ったものです。生前のご両親の人となりをお聞きし、結婚当初と晩年の写真をもとに、お二人が一番幸せだったときを想像して形にしました。椅子の中に分骨を納めるようになっています。とっても喜んで頂けて。わたしも作らせて頂けて本当に嬉しかったです。」
出張陶芸教室として、保育園や老人ホームへも行くという佳世さん。保育園での制作がきっかけで、アトリエでも子ども対象の「子ども陶芸てこねり」も始めました。始めるにあたってお声がけしたのが、わらべうたの坂野ちえさんとPate A Chouの藤田曜功さん。教室の窓口や作品の受け渡しなどはお店のノウハウを持つ曜功さんが。子どもたちの緊張をほぐし、リラックスさせるのがちえさんの担当です。わらべうたや手遊びから始まり、仲良く打ち解けたところで、制作へ。制作に疲れたら、いつでもちえさんと遊んで気分転換できるようにと、飽きっぽいこどもたちへの配慮もあります。「時間内に決められた課題をやるのではなく、もっと自由に陶芸を楽しんで欲しいと思って。でも、子どもたちとの時間は、わたしたち大人のほうがいつも楽しませてもらっているんですよ。」
「大人向けの教室では、生徒さんが作りたい物を作れるように、それを作るにはこういう方法があるよ、というのをお伝えするようにしています。人に教えるという場を作ると、一度に色んなことができるんです。それぞれの“こんなものが作りたい”という要望に応えることで、私自身も一緒に色々なパターンを体験できる楽しさもあるんですよ。」
とにかく明るく朗らかな佳世さん。もっと作品をご覧になりたい方、陶芸教室にご興味のある方は、ぜひホームページをご覧ください。アトリエ展で並ぶ教室の生徒さんたちの作品も楽しみですね。
佳世さんのホームページはこちら(http://www.potters-studio.com)。
石田倉庫のアトリエ展には、第一回目から参加の宮坂省吾さん。美術短大の非常勤講師や、美術の教材制作の仕事をしながら、染色と木、樹脂、糸など様々な素材と組み合わせたミクストメディアによる作品づくりを行っています。
「3歳くらいのころから落書きをするのが好きで、裏が白い広告のチラシを集めて、こっそりたくさん落書きをしていました。人に見せるというよりも、好きなもの、欲しい物を描いて。ただ描いて形にするのが楽しかったんですね。ある時、その落書きをあるとき人に見せたら、アニメのキャラクターとかを描いて欲しいとリクエストをもらうようになって。描いて人に喜んでもらえるという体験が、いまの自分の原点なのかもしれません。」
[右]「空模様 002 "the look of the sky"」250×250×250mm
北海道出身の宮坂さん。作品を通して伝えたいものは「空気感のようなもの」なのだそう。「空は地球上どこでも1つですよね。北海道にいたころの空は、とても広かったのが、東京へ来て空が狭いことに気がつきました。でも、都会でも人の暮らしているスペースのふとしたところに、実はいつも自然はあるんですよね。」
作品づくりでは、まず全体のイメージを決めてから、イメージに合わせて布を染色。にじませたり、色を組み合わせたりして並べた布を、木の板に貼り、糸でつなぎ合わせて画面を構成し、ポリエステルやアクリルの樹脂を塗って完成させるそう。
作品を間近で見ると、布の端のフリンジが樹脂の中で、たゆたうままの状態で固まっていたり、織りの違う布を浸透した樹脂が透明感を与えて、何とも言えない浮遊感やみずみずしさを感じます。
「作品は、国や場所は特定せず、見る人の経験や記憶、そのときの感情にゆだねています。たとえば、モチーフで使っている単なる幾何学の“円”も、それぞれ見る人の想像で、太陽や月、あるいは地球など、自然の象徴として感じていただけたら。」
宮坂さんは作品づくりのほかに、日本とスカンジナビア周辺諸国のコンテンポラリーアートを軸にした芸術交流を行う「EAJAS(http://eajas.com/home.html)」や、垣根を越えた様々なジャンルの作家を迎えた展覧会を企画するグループ「SQUARE 染 textile(http://textile-sq.com)」にも参加。
これらの活動は、「異なった素材が融合したときに醸し出す表情」や「新たな素材やメディア」も同時に模索しているという宮坂さん自身の制作ともクロスしています。
宮坂さんの作品から見えるあなたの「空」は、どんな空でしょうか。宮坂さんのアトリエは駐車場の前、No.5の2階です。今年はどんなオープンアトリエになるか、どうぞお楽しみに!
宮坂さんのHP
http://www.miyasaka-shogo.com/index.html
(文責:小林未央)
- - - - - - - - - - - - -<追記>2015年 アトリエ展の様子- - - - - - - - - - - - -
赤いドアが並ぶ通称「スロープ下」の手前から2番、S-2がtonoharunaさんのアトリエ。部屋の中から聞こえる音楽に耳を傾けながらドアを開けると、印象派の色使いを彷彿とさせる抽象画、彼女のお気に入りのモノたちが並ぶディスプレイ、そしてご本人含めて、まるで1つの作品のような空気感が漂っていました。
黒板に描かれたメニューボードを見ながら「何か飲みませんか?」とすすめてくださったtonoharunaさん。この飾り棚は、自分で作ったのだそうです。まるで小さなカフェのようなかわいいディスプレイも素敵です。
tonoharunaさんがこのアトリエに入居したのは2015年の春。子どもの頃から絵が好きで、少女漫画のような女の子ばかりを描いていたそう。風景画と出逢ったのは高校の頃。写生をして、物をじっくり見るという習慣が身に付くようになり、山、野原、花、庭、自然の持つ線や、空間の美しさに気がついたのだとか。抽象画を始めたのは20代になってから。
彼女の作品の華やかでありながら不思議と心が落ち着く色使いには、テキスタイルとして身に纏ってみたくなるような、居心地の良さもあります。
そして、今年の「石田倉庫のアートな二日間」のパンフレットのデザインもtonoharunaさんによるもの。とにかく「物を作ることが好き」という彼女は、抽象画を制作の柱としながら、雑貨、アクセサリー、ペーパーアイテム、zine(雑誌)、そして漫画制作なども手がけています。
「そうそう。今、かかっている音楽の『雨のパレード』(http://amenoparade.com)
というアートロックバンドにもペインターとして参加しているんですよ。」と、CDアルバムも見せてくださいました。アルバムのコンセプトやテーマ、音楽のイメージに合わせて、イラストを描いているとのこと。
「今後は屏風やふすま絵など「和」との融合にも挑戦したいんです。」と楽しそうに話すtonoharunaさん。容姿、作品の雰囲気から、思わず「tono(殿)というより、hime(姫)みたいなかたですね」と言うと、「そう言って最初はhimeって呼んでた人も、付き合いが長くなると、tonoに戻っちゃうんです。」といたずらっぽく笑った顔が印象的でした。
今後の活動も気になるtonoharuna world、ぜひアトリエ展でご堪能くださいね。
tonoharuna HP
http://tonoharuna.web.fc2.com/index.html/
(文責:小林未央)
- - - - - - - - - - - - -<追記>2015年 アトリエ展の様子- - - - - - - - - - - - -
1995年。現代美術家として作品を発表していた高井吉一さんは、展示後の作品置き場兼作業場として、この石田倉庫NO.3の1階を借りました。その当時作っていたのは、多摩川で拾った3,000本もの流木を床に並べていろいろな角度で見渡せるようにするという、とても大掛かりなインスタレーションで作品でした。
[右]「記憶の森・記号の城 ―スウィート・ホーム」東京野外現代彫刻展出品
そして2015年。高井さんは同じアトリエで、オーダーメイドの鉄を中心とした金工造形の他、古美色と言われる伝統工芸の技法を施した金属製の鉛筆型ボールペン「TETZBO」シリーズの製作を行っています。大きなインスタレーション作品を作っていた作家さんがなぜ、今、小さなボールペンを作っているのか。気になりますよね。
「ちびた鉛筆って、何故か捨てられないんですよ。もしかしたら、『チビエン』は記憶や思いの扉を開ける鍵のようなものかもしれない…と思ったんです。しかも、万人に共通のmaster key…」
そして、蔵前の文具店「カキモリ」の店主広瀬さんとの出会いもあり、改良を重ね、小さくても手に馴染んでなめらかな書き味のボールペンが誕生しました。
「僕は文房具のマニアでもないし、まして専門家ではないから、形は出来ても製品として成立するための基本的な知識がなくて…。そこで、広瀬さんに専門家としてのアドバイスを戴き、なんとか製品として形になりました。」
[上]立川 富士見保育園 スライド式門扉全景
[左下]ステンレスを叩いて作った留め金にもTETZBOの刻印。
[右下]手描きでおこしたイメージ画
最後に、ポートレートを撮らせて頂こうとしたら、ちょっと照れくさそうにポーズを取ってくださった高井さん。「僕ね。器用なんですよ。悪い意味で…。これしか出来ないというものはなくて、不幸なことにこれまで、大概のことはあまり苦労せずに無難にこなして来た…だから何も出来ていない。それで60歳越えてから、もう少し自分にちゃんと向き合ってやらなくちゃいけないのかなって思って。ほんの少し真面目に生きて行こうと思ってね。今まではそのことが出来ていなかった。自分にとっての正義って何だろう。いい年してこんなこと言うのも何だけど、近頃はそう思う。」
高井さんの遊び心と職人としての粋な技が詰まったTETZBOシリーズは、アトリエ展でも展示販売予定です。
高井さんのHP(http://tetzbo.zero-yen.com)
TETZBOの取扱店「カキモリ」のHP(http://www.kakimori.com)
「赤ビル」とよばれる建物の2階。竹下千鶴さんは、1つの部屋を4人でシェアして机を置き、絵画教室での仕事の合間に、ここで作品づくりを行っています。絵画教室では、幼児から小学生を中心に、絵画から工作まで幅広い造形や制作を教えているそうで、ちょうど、机の前の壁には、これから子どもたちに教えるという教材の試作品も飾られていました。
[右]「ドローイング(ケイトのイメージ)」F0号(180×140)パネルに紙、水彩、色鉛筆
「これまでは自宅で制作していたのですが、働きながら絵を描くという環境を、とにかく変えたかったんです」と、3.11のあと石田倉庫に入居した竹下さん。「教えるだけではなくて、自分もきちんと制作している場所を持っていることが大事なのでは」と、アトリエを探していた時、ちょうどこの部屋のシェアの話があったのだそうです。
大学では油絵を専攻。現職の前に1年間、小学校の補助教諭をしていたことも。補助教諭のお仕事では、教科に関係なく子どもたちに、算数や体育など、どちらかと言うと苦手な子が顕著で、子どもたちへの手が多く必要な教科の補助にあたっていたそうです。
この経験のおかげで、はじめは「子どもが苦手」だと思っていたのが、子どもたちと接する時間が増えるにつれ、子どもに造形を教えるという仕事が「自分に合っているかも」と思うように。
「小学校で美術を教えることに目覚めたというか、子どもに接することに目覚めた感じ。お。私、意外と子どもいけるな。絵画教室の先生になってみようかしら」と。
こうして、竹下さんは「作家」として制作中心の仕事ではなく、子どもたちに「教える」という形で美術に携わる、今の仕事を選んだのだそうです。
「これ、紙粘土にはじめに絵の具を混ぜて色の粘土を作ってから、成形しているんですよ。この手法、実は絵画教室で知った方法なんです。」と、今年のアトリエ展の展示作品の一部を見せて頂きました。まるでマジパンのかわいいお菓子みたいに並ぶクマさんたち。
「わたし、動物が好きで。最近は、よくクマを描くんです。自分に似てるのかな。教室の子どもたちにもよく言われるんですよ。」ゆっくりとおだやかにお話してくださる竹下さんが、額の中からこちらを見ているクマさんに重なります。
ちなみに、2011年はステレンボードにアクリル絵の具で作った「くつした」、2014年は「鳥」をテーマに水彩画と紙粘土で作ったマグネットを展示販売。その年ごとにテーマを決めて制作なさるそう。制作物も、身近な素材を使った親しみやすいものを使っているのは、子どもたちに造形を教える竹下さんならではのもの。今年も「普段のアトリエ」に近い形で、クマさんシリーズの作品の展示販売を行うそうです。
残念ながら竹下さんのホームページはありませんが、講師をなさっている「子ども美術教室がじゅく」のホームページに、竹下さんから子どもたちへのメッセージがあります。子どもだけではなく大人の心にも届く文章です。下記に一節を抜粋します。
自分の好きなもの(事)をひとつでもいいからもってほしい。
絵の先生のくせにこう言ったら怒られちゃうかもしれないけど、絵を描くことじゃなくてもいい。サッカーでも野球でもいい。歌でもダンスでも虫を憶えることでも、動物を世話することでもなんでもいい。
おそらくそれが自分の中で(自分の生きていく中で)支えになるから。
私がそうだったから。今でもそうだから。
全部読みたい方はこちらをどうぞ。(外部リンク:「子ども美術教室がじゅく/講師紹介ページ」http://www.gajyuku.com/staff/chihiro/chihiro_takeshita.html)
アトリエ展では、クマさんと竹下さんが、みなさんをお待ちしています。
(文責:小林未央)
- - - - - - - - - - - - -<追記>2015年 アトリエ展の様子- - - - - - - - - - - - -
「AR,TEE'S(アーティーズ)って、アトリエ見ただけだと何をしてる人たちなのか分かんないでしょ?」と代表の伊藤卓義さん。この日のアトリエは、映画で使用する劇中作品を制作中。まるで美術部の部室のように、たくさんの油絵の作品やエスキースが並んでいました。
「でね、こんな感じのことをやっててね..」と、見せて頂いたのが、ショップや飲食店の空間や壁画、什器などの写真でした。写っていたのは、日本だけではなく、フランス、イタリア、アメリカ、レトロやモダン、はたまた近未来といったイメージの、実に多国籍で多種多様の世界。下の写真はその中の1つで、イタリアンのレストランを、ポルトガルのレストランに改築するという案件のもの。同じ空間が、色使い、装飾、照明、壁画などのあしらいの違いで、こんなに変わるんですね。
例えば、ここ数年手がけている、スターバックスの新規出店に関してのデザインや造作や看板などの施工では(写真下)、「その場所、そのお店ごとにあるコンセプトや、世界観に併せて、デザイナーさんからのオーダーに応じたり、提案したりしています。下絵を準備し、現場で壁画を直接描いたり、造作を作り込んだり。」とのこと。お店の世界観に合ったオリジナルの作品を観ながら、ホッとコーヒーを一杯なんて、ちょっと素敵ですよね。
AR,TEE'Sとは、Artfact(文化的価値のあるもの)を Artistic(優れた技)で Expression(表現する)の造語だそう。「僕たちの仕事は、コンセプトや世界観を持っているクライアントの希望イメージを汲み取り、それぞれのオーダーに一番ふさわしい表現を考え、提案し、形にすることかな」。と、伊藤さんはさらりと言葉になさいましたが、実際には、センスや知識だけではなく、ありとあらゆる世界観を具現化するための経験と技術、そしてそれぞれの分野に長けた人脈がないと出来ないお仕事のはず。
「石田倉庫には様々な分野の専門家がいるからね。仕事はもちろん、こんなことも一緒にできました。」と伊藤さんが見せてくださったのがこの写真で、3.11の震災後、気仙沼で被災した商店へ看板を寄贈した時のものです。被災地に何か出来ないかと思っていたとき、アトリエ内の山上一郎(木とり)さんの紹介で出逢ったというこちらの商店は、建物も崩壊、従業員の方を亡くされるという辛い状況の中、復興に向けて取り組んでいたそう。伊藤さんは「自分たちに出来ること=何かを表現すること。気仙沼港=出航、門出=大漁旗」という発想から、復興祈願の大漁旗をモチーフに看板を造り、直接現地にお届けしたのだそうです。
アトリエ展では、毎年、国をテーマに(8年中国、9年モロッコ、10年スペインと)した屋台を制作。13年からは、アーティーズを前面に出すように。写真は2014年のもの。
[左]「TATUWA」写真(キャンバスに印画紙圧着)、油性ニス、 水性塗料(H 2400 x W 1800 mm)/伊藤卓義 [右]「回遊-2(部分)」メゾチント/福本壱美
新メンバーが加わり、ますますアートワークの幅が広がるAR,TEE'S。事例紹介の豊富なホームページ(http://www.artees.jp)をぜひ、ご覧ください。 (文責:小林未央)
蔦の絡まるアトリエNo.3の2階、ガラス作家の寺西さんとシェアしているというアトリエの奥に、安東さんの作業机があります。机の上には、まだ加工されていない銅板、作業途中のキノコの部品、それからスケッチ画やペンチやピンセットなどの道具が並んでいました。ここが安東さんの作品が生まれる場所です。
「銅は、緑錆(りょくしょう)といって、表面の酸化によって色が変わるんですよ。」と安東さん。10円玉色の銅板を叩いて伸ばして、バーナーで熱しながら曲げて溶接して、形にしていきます。バーナーの炎の熱でみるみる色の変わる銅。さらに熱した銅を水につけるとジュッと音がして、色が赤褐色に変化しました。この色の出方は偶然のものなのだそうです。それもまた銅板造形の魅力のひとつなのだとか。バラバラだった部品が安東さんの手によって、あっという間にキノコの完成。まるで魔法のような作業です。
大学に入るまでは、単純に絵を描くのが好きだった安東さんが、銅という素材とその表現の面白さに出会ったのは、大学に入ってからだそうで、今年の6月末には、最初に個展を開いてから10年の節目の個展「夏至」を開いたばかり。この個展では、自作フレームドラム奏者の久田祐三さんの楽器の一部を作るという実験的コラボレーション作品も展示したのだそうです。
[中央]みんないってしまう[右]Hello Hello
安東さんの手仕事から生まれるのは、空間を装飾する大きなレリーフもあれば、絵本の世界からひょっこり飛び出してきたような、小さな不思議で可愛い動植物の小さな作品もあります。安東さんは、歌や詩、小さかった頃に読んでもらった絵本など、自分が出逢った好きな言葉を書き留めておいて、そこからイメージをふくらませて作品を作るのだそうです。
安東さんはアトリエ展では、作品の展示と販売、ワークショップを予定しています。ワークショップでは、数種類の型のアルミのベースに、金槌で銅や真鍮のメッシュを叩いて模様を打ち付けて作るオリジナルのピンバッジを作るそうです。世界に一つの銅板の手づくりピンバッジ、素敵ですよね。
もっと作品を見たいというかたは、ホームページ(http://keiando.com/index.html)でもご覧になれます。そして、安東さんの銅板造形を体験してみたい人はぜひ、アトリエ展へ遊びにきてくださいね。
- - - - - - - - - - - - -<追記>2015年 アトリエ展の様子- - - - - - - - - - - - -
「風来」F120号・キャンバス、油彩 2012年制作
「ディスタンスについて」F20号・キャンバス 油彩
2011年制作 個人蔵
インスタレーション作品 国営昭和記念公園花みどり文化センター
現代美術というと、一瞬ちょっと難しそうという先入観があるかもしれませんが、槇島さんの作品については、頭で考えなくても、心で感じることのできる“あたたかさ”があります。その作風から、友人知人から依頼を受け、新居や赤ちゃんのお誕生のお祝いの絵を描くこともあるそう。「新しく始まる記念日なので、私の絵から、明るさやあたたかさを感じて頂けたら…」
石田倉庫オープンアトリエ「てのしなしな」 /石田倉庫屋外会場
槇島さんのホームページ(http://aimakishima.web.fc2.com)でも作品をご覧頂けますが、ぜひ、アトリエ展で、実物の大きな作品の前で、色と光、そしてあたたかを感じてみてくださいね。
Luce macchia
「 雫ピアスのつくりかた」
日程:両日開催
場所:NO3-2F
申し込み:当日予約制
14:00から先着10名様 所要時間10〜15分ほど
参加費:1000円
安東 桂
「銅のキーホルダー作り」
慨要:小さい銅板を金づちでたたいて、熱して、折り曲げて自分だけの形のキーホルダーを作ろう。
日程:両日開催
場所:NO3-2F
申し込み:随時
1人20〜30分程度。一日限定10名。
参加費:1000円
槇島藍・竹下千尋
「お絵描きの森」
慨要:絵描きのマキシ、タケシが描いた森にみんなが描いた絵をコラージュして作るお絵描きワークショップ
日程:両日開催・雨天中止
場所:NO3の向かい側
申し込み:随時
10人程度交代で、1人10分前後
参加費:無料
連日お問い合わせのお電話を頂いており、お知らせが遅れて、今年は無いのか?と思っている方も多いも模様。
いえいえ、時期をずらして今年は12月にやります。
冬仕様の石田倉庫も是非お楽しみ下さい!
石田倉庫のアートな2日間 2014
「てのしなしな」
会期 12月6日 (土)・7日(日)
10:00〜17:00
アトリエNo.5+として 山上一郎、茂井健司、塩川岳が運営に携わっています。
http://www.t-fes.com
■イベント概要
名称:立川文化芸術のまちづくり協議会ワークショップ×ワークショップ
日時:2014年10月18日(土) 12:00~17:00
19日(日) 10:00~17:00
会場:立川市子ども未来センター 〒190-0022 東京都立川市錦町3-2-26
料金:入場無料 ※参加費は各プログラムによる
内容:短い時間で体験できるワークショップ/シンポジウム/交流会など
<参加団体>
開発好明/佐竹宏樹/谷山恭子/福永紙工株式会社/株式会社壽屋/武蔵野美術大学 地域デザインプロジェクト/chabo's drums school/東京TAMA音楽祭ダンスフェスティバル実行委員会/Potter's studio 鈴木佳世(石田倉庫アトリエ)/国立音楽大学(七夕座)/AGRI CRAFT/東京TAMA音楽祭ユースフェスティバル「華麗」/シアターカンパニーOrt-d.d(オルトディーディー)/sorahana/ネイルスクール ナナミルク&ヴィジョン/ファイバーワークス 石川優子・濱野さくら・宇津木哲子/KSP 安東桂・伊藤沙織/子どもの未来を考える会/立川ドラムサークル&ボディパーカッション・リズミーツ/生涯学習市民リーダーの会所属 田ヶ谷省三(通称:ガヤさん)
<イベント内容>
・開会イベント
オープニングファンファーレ(立川市立立川第四中学校吹奏楽部40名)
10月18日(土)12:00~
指揮 小池基文による、立川市立立川第四中学校吹奏楽部のオープニングファンファーレを立川市子ども未来センターテラスにて行います。また、ファンファーレに先立ち約20分の演奏を行います。
・シンポジウム
10月18日(土)18:00~
「芸術をもっと!まちづくり・教育に」
[イベント出演者(予定)]
今井良朗/武蔵野美術大学芸術文化学科教授
三澤一実/武蔵野美術大学教職課程教授
塩川岳/ワークショップ×ワークショップ実行委員会委員長 ほか
・交流会
10月18日(土)19:30~
W×W参加団体や、協議会をはじめ、美術・音楽・演劇・ダンス・食・大学・企業・行政など、相互の情報交換や交流の場を設けます。
「美術部長はアーティスト」
立川市子ども未来センターに「美術部」をつくります。
小学生〜大学生までが部員になれます。
社会で活躍するアーティストと小学生~大学生が、放課後の時間と場所を美術を通して共有し、語らい、恊働することで、さまざまな立場の人とコミュニケーションする機会をつくります。
プロジェクト1
■「君の落としたモノは、重大なパーツだった」
■6月の部長アーティスト:古屋崇久
■期間:6月11日(水)〜6月22日(日)
■時間:15:30〜18:30(放課後)
■場所:立川市子ども未来センター ギャラリーor多目的室
■詳細:http://art-mirai.com
■申し込み:立川市子ども未来センター
TEL:042-529-8682
web:http://t-mirai.com/
個展会場ではワークショップも開催予定です。お近くの方、ご興味のある方はぜひ会場にお申込みください。
■群馬直美・画文展in妖精たちの家
「言の葉 葉っぱ暦」
梅見つき・夢見つき・木葉採月編
2014年2月4日(火)-11日(火・祝)
回廊時間 12時ー19時
会場 アグレアブル*ミュゼ 東京都国分寺市光町1-42-8
HP http://www.agre.jp/
tel 042-577-7353
JR国立駅北口から徒歩3分周辺にコインパークあり
■群馬直美の講演会
2014年第18回草月会東京西支部総会
第二部 葉画家・群馬直美講演会
「言の葉 葉っぱ暦」
葉っぱのいのちの輝きをおい続け31年。
みんな元気になろう。
2014年4月29日(火・祝)
14:00~15:00
会場 女性総合センター・アイム ファーレ立川・センタースクエアビル1階
お申込み方法:葉っぱ特別枠でお席を確保いたしました。
メールまたはファックスで「群馬直美講演会」とお書きの上、お名前・お電話番号・人数をお知らせください。
メール happainochi@gmail.com
ファックス 042-522-1839