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[石田倉庫のアートな人々]#11 島内 聡士(金属造形)


石田倉庫のスロープ下に並ぶ赤い扉。そのうちの一つ、ドアの上にヨーロッパの街にあるような鉄製の看板が出ているのが、島内聡士さんのアトリエです。看板には、「heat trick — magical metal works」という文字があります。

「金属って、固くて扱いにくい素材でしょう。ぼくらは、そんな素材からなんでも作り、形にするんです。一枚の金属の板を叩いて形にする、やりにくさがあるからこその面白さと楽しさ。金属造形って、本当にtrick やmagicなんですよ。」

アトリエの中に入ると、作業に使う様々な道具が整理されて壁に並び、シルバージュエリーショップのような雰囲気。並んでいる道具も作品のように見えてきて、思わず見入ってしまいます。
「おしゃれなアトリエですね」と言うと、「道具そのものが形が面白くて格好がいいからですよ、きっと。これなんか、昔の鍛冶屋さんみたいな道具でしょう。金属に当てて叩いて成形する時に使う道具なんですが、ぼくたちは、こういう道具も自分で作るんですよ。」と教えてくださいました。

[左]アトリエのドアにある看板。これも島内さんの作品。
[右]アトリエの中、作業台のディスプレイも作品のようなしつらえ
大学在学中の2011年からアトリエ探しをし、大きな道具は設備が充実した学校でしか作れないからと、道具を作りながら卒業後の準備をしていたという島内さん。2012年から石田倉庫のアトリエに入居し、作家活動を行っています。
「生きているもので一番身近にあるものが人体。2009年、大学3年生の時には、自分の腕をモチーフにした作品を作りました。人体という金属からかけ離れたものをただの金属から作ってみたくて。まず親指から始めて、金属板を叩いて叩いてつなげていって、形にしていきました。」

「process」w500×h400×d150(2009)
粘土のようにつけたり、彫刻のように削って作るプロセスと違い、金属は全部つながっていないとならないので、どこをどうやってつなげよう、どこから始めようと考えながらデッサンやラフを描くそう。一枚の金属を熱し、たたき、伸ばしたり曲げたり、溶接したりしながら形にする作業は、出来上がった完成品を見れば見るほど、気が遠くなるような作業に思えてきます。

「vanishing point」w200×h300×d200(2013)
「せっかちだととても出来ない作業でしょうね。」と言うと、手のひらの上でコップを転がしながらこうおっしゃいました。「いえいえ、逆なんです。せっかちじゃないと鍛金は出来ません。いつまでも時間かけて叩いているだけでは形にならないでしょう?自分が形にしたいイメージを思い描いたら、どうしてもその形にしたいという強引さも必要なんです。今はこれくらいのコップは半日で作れますが、学生の頃は2週間もかかっていたんですよ。叩いて形にするにはどうやったらいいんだろう?なんの道具を使ったらいいんだろう?って考えて。教わったり、とにかくやってみたり。」

2014年のアトリエ展出店風景。
ジュエリーやランプ、帽子用のディスプレイなどを展示販売
ポートレートを撮らせて頂こうとしたら、真っ先に親指を立ててスマイル。誠実で丁寧な話しぶりの中にも、時折茶目っ気たっぷりの素顔がのぞきます。金属造形の道にすすむきっかけは、高校生の時にお母様にすすめられて通った「彫金教室」だったそう。2014年のアトリエ展も、鍛金による作品だけではなく、彫金による指輪も出品。たばこの煙をくゆらせるおじさんシリーズは、とってもユニーク。今年はどんな展示になるか、楽しみですね。
(文責:小林未央)
- - - - - - - - - - - - -<追記>2015年 アトリエ展の様子- - - - - - - - - - - - - 






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